水の国くまもとプロジェクトとは

全国最多の「名水百選」を誇る地下水の宝庫、熊本。このかけがえのない水資源を守り、次世代へと引き継ぐために始まった「水の国高校生フォーラム」は、現在、対象を小中学生から大学生、一般、そして企業へと広げた「SDGsくまもと水の国プロジェクト」として進化を続けています。 2025年度も、行政・企業・教育機関、そして地域住民が一体となり、清掃活動や教育、最新の技術を用いた保全活動など、多角的なアプローチで熊本の水を守る取り組みを展開しています。本プロジェクトを通じて、一人一人が地下水の大切さを再認識し、持続可能な未来に向けた一歩を踏み出すきっかけとなることを目指します。

江津湖クリーン作戦2025

熊本市民の憩いの場であり、貴重な水生生物の宝庫でもある江津湖。その美しい環境を維持するため、2025年も市民・企業・行政が協力して「江津湖クリーン作戦」が実施されました。特に繁殖力の強い外来水草の除去は、水質の悪化を防ぎ、固有の生態系を守るために欠かせない作業です。泥に足を取られながらも、多くのボランティアが汗を流し、一丸となって清掃に励む姿は、熊本の宝である「水」と「緑」を自分たちの手で守るという強い意志の表れとなっています。

水の作文コンクール

次代を担う中学生を対象に、水への理解と関心を深める「水の作文コンクール」。2025年度は真和中学校の生徒4名が、その深い洞察と感性豊かな表現で熊本県の賞を受賞しました。日常の中で当たり前にある「水」の存在を見つめ直し、自分たちの生活や環境との関わりを綴った作品からは、若者たちが真摯に未来の水資源について考えていることが伝わってきます。こうしたコンクールを通じて、水に対する感謝の心と、保全への意識が次世代へと確実に受け継がれています。

水道フェスタ2025

私たちの生活に欠かせない上下水道への理解を深める「水道フェスタ2025」が開催されました。会場では、ライフラインとしての重要性を学べる展示や体験イベントが行われ、多くの家族連れで賑わいました。なかでも注目を集めたのは「熊本市水の科学館」の新しい看板の発表です。これは必由館高校の生徒がデザインしたもので、若者らしい感性で水の魅力を表現しています。市民にとって身近な水道というインフラを、行政と学生が協力してPRすることで、より親しみやすい保全活動の形を示しました。

阿蘇の草原の大切さ

熊本の豊かな地下水を育む源流、阿蘇の草原。この広大な草原を維持するために欠かせないのが、数千年にわたり受け継がれてきた「野焼き」です。野焼きは森林化を防ぎ、雨水を地下へと浸透させる「天然のダム」としての機能を守る重要な役割を果たしています。しかし、担い手不足が課題となる中、「九州の水を育む阿蘇の守り手基金」による支援の輪が広がっています。草原を守ることは、すなわち私たちの命の水を守ること。阿蘇の景観と地下水を守り続けるための、息の長い活動が続いています。

放置竹林問題に取り組む高校生

菊池農業高校の生徒たちは、深刻な環境問題となっている「放置竹林」の解決に挑んでいます。竹を資源として有効活用する取り組みは高く評価され、これまでに数々の賞を受賞しました。彼らの情熱は校内にとどまらず、行政や企業と連携したクラウドファンディングにも挑戦。地域全体を巻き込んだ大きなプロジェクトへと発展しています。厄介者の竹を地域の宝へと変えようとする高校生たちの柔軟な発想と行動力は、SDGsが掲げる持続可能な社会づくりのロールモデルとなっています。

地下水保全の新しいプロジェクト
「雨庭」

熊本県立大学では、都市化による地下水涵養量の減少を食い止める新たな試みとして「雨庭(あめにわ)」プロジェクトが進められています。雨庭とは、降った雨水を一時的に貯め、ゆっくりと地中へ浸透させる構造を持つ庭園のことです。大雨の際の排水負荷を軽減するだけでなく、都市空間に潤いを与えながら地下水を育むこのシステムは、まさに自然と共生する未来の都市づくりの鍵。大学という学びの場から、最新の知見を活かした地下水保全の新しいカタチが発信されています。

地下水保全の新しいプロジェクト
「アドバンストプログラム」

くまもと地下水財団が進める「アドバンストプログラム」では、より専門的かつ実践的な地下水保全の取り組みが行われています。その一環として、小学生向けの「地下水保全の冊子」が新たに制作されました。難しい専門知識を子供たちにも分かりやすく解説したこの冊子は、次世代の「水の守り手」を育てるための大切な教材となります。幼少期から熊本の水の仕組みを正しく知ることで、節水や環境保護を日常の当たり前として実践できる、意識の高い市民の育成を目指しています。

ユース水フォーラムくまもと

「ユース水フォーラムくまもと」では、高校生たちが自ら水に関するテーマで動画を制作。熊本大学の協力のもと、リサーチから編集までを学生たち自身で行いました。若者ならではの視点で切り取られた熊本の水問題やその魅力は、SNS等を通じて同世代や世界へと発信されています。言葉だけでは伝わりにくい水の重要性を、視覚的なストーリーを通じて伝えることで、より多くの人々に保全活動への共感を広げています。デジタルの力を活用した、新しい世代による水保全の発信が始まっています。